HOME → 治療ポイント → 自殺とうつ

自殺とうつ

自殺とうつ うつ病で最も恐ろしいのは、症状の重症化により自殺を引き起こす可能性が高いということではないでしょうか。

日本人の死亡原因として常に上位に入るのが自殺です。特に20代から40代の男性では死亡原因の第1位となっており、自殺の予防は大きな課題となっています。

自殺者の多くは、過去に何らかの精神疾患を患っていたことが最近の調査で分かってきました。自殺者の6割強は生前にうつ病の症状が見られ、さらにその7割は通院などの治療を行っていなかったことが分かっています。

世界的に見ても、うつ病患者の自殺率は30パーセントと言われるなど、うつ病の症状の一つとして自殺があるものと考えられています。

自殺を選択する原因とは

うつ病が自殺を招く原因として、さまざまなものが考えられます。 たとえば、うつ病特有の不安や焦燥感、ネガティブなものの見方が講じて、「自分には生きる資格がない」とか「自分はいない方が皆のためになる」といったような考えにとらわれるようになり、自殺を選んでしまうという場合が考えられます。

うつ病は脳内の神経伝達物質が減少することで起こるのですが、このとき不安やイライラをおさえる働きをするセロトニンの減少が著しくなれば、暴力的な言動や行動をとるようになります。この攻撃性が自分に向けられれば、先のような考えを持ち、実際に自殺を図るものと考えられています。

また、脳内の機能が低下することで、物事の複雑な事象を理解する能力が衰えてしまい、白か黒かという二者択一的な単純な思考パターンをとる場合が多くなります。病気=悪い=役立たず=死、のような思考経路から自殺を選ぶケースも見られます。

自分に対する無価値観が強い上、「自分が頑張れば良いんだから」と、自己犠牲の精神を持ちやすいのもうつ病患者の特徴で、まずは病院で治療すること自体是としない場合が多いのです。

治療の重要性を理解しましょう

家族など、身近にいる人に疑わしい状態が見られた場合は、引っ張ってでも病院に連れて行くことが大切です。うつ病は、放っておいて何の対処もせずに自然治癒に任せても、改善することはほとんどありません。医師と相談し、抗うつ剤などの薬物投与をすることが、患者の命を守るためには非常に重要です。

過去に、精神病の治療現場で過剰の投薬があり問題になった時代がありました。そのため、精神病の治療薬に対する悪いイメージを持つ人は多く、「病院に行けばモルモットにされる」など、誤った印象を持つ人も依然として多いようです。しかし、現代では高い治療効果がある医薬品も続々と生み出されていますので、まずは医師の診断に従うことが肝心です。

また、薬を飲み続け、一旦は回復したように見えても、医師の指示なしに薬を止めるべきではありません。これも、薬に対する漠然とした不安感や、周囲からの誤った情報におどらされてのことと思いますが、特に精神に影響する薬を必要もないのに飲み続けるということに抵抗感がある人も多いようです。

うつ病は、3年以内の再発率が50〜80パーセントもあるという、非常に再発しやすい病気です。再発を防止する意味でも、薬は飲み続ける必要があるでしょう。